2019年7月、SONYとシグマから、フルサイズ対応Eマウントレンズで、35mm大口径単焦点レンズが立て続けに発表されました。
シグマからは既に 開放値F1.4の大口径単焦点レンズ 「シグマ 35mm F1.4 DG HSM Artレンズ」が発売されていますが、今回発表された「シグマ 35mm F1.2 DG DN Artレンズ」は、さらにその上を行く開放値F1.2の大口径単焦点レンズ。
5,000万画素オーバーに耐えうる解像感を実現しているとのことで、シグマはどこまで追求したかったのでしょう。開放値F1.4の大口径単焦点レンズで、こんなにも撮れるのに、、です。
▼「シグマ 35mm F1.4 DG HSM Artレンズ」で実際に撮影した作例はコチラ。
まずは紅葉のライトアップを開放F値1.4で撮影。
F5.6まで絞ると、光芒も綺麗に映し出されていますね。
玉ボケの写真をお伝えするならこの一枚。
手前のキャンドル瓶にピントを合わせ、やや絞ってF1.6で撮影した結果、背景のピラミッドが見事玉ボケしてくれました。
イルミネーションの光景をスノークロスフィルターを装着して撮るとこんな感じ。
この写真はF2.2で撮影、手持ち撮影でしたがISO感度は100と記録されています。
蛍の写真を広角気味で撮影したのがこちら。(比較明合成済)
暗い林の中でしたが、ここまで明るく撮影できていました。
「シグマ 35mm F1.4 DG HSM Artレンズ」の威力は金魚ミュージアムでも発揮。
どちらの写真も手持ち撮影ですが、開放F値1.4に設定し、α7Ⅲのオートフォーカスの性能との相乗効果で、機敏に動く金魚を撮ることができました。
以上が「シグマ 35mm F1.4 DG HSM Artレンズ」 で実際に撮った作例です。ご覧の通り、十二分に撮影できるレンズだと認識しています。そこに来て追加投入された「シグマ 35mm F1.2 DG DN Artレンズ」。
「シグマ 35mm F1.2 DG DN Artレンズ」の性能については、メーカーのサイトでご確認いただくとして、さらなる最高画質を追求したことで、お値段アップはもちろん、レンズの重量もアップ。
単純に、重量と値段だけを見比べてみると
・シグマ 35mm F1.4 DG HSM Artレンズ 665g 希望小売価格(税別)118,000円 実勢価格:87,800円~
・シグマ 35mm F1.2 DG DN Artレンズ 1,090g 希望小売価格(税別)190,000円。実勢価格:148,000円~
正直なところ、シグマのレンズはどのレンズもずっしりと重量感がありますよね。665gでも重量感を感じていたのに、それ以上となると機動力に欠けてしまいますよね。せっかくα7本体ボディが軽量コンパクトなだけに。
機動力を犠牲にしてまで、撮影した写真の画質に納得させられたら、「シグマ 35mm F1.2 DG DN Artレンズ」も購入検討の土台にあがりそうですが単焦点レンズは、何本か持ち合わせて撮影に行くことが多いだけに、1kg級のレンズを複数本、持ち運ぶとなると、それなりの体力が必要になってしまいます。
その点、SONYから発表されたSEL35F18F(2019年8月30日発売)は軽くて良いレンズに思います。
開放F値1.8はシグマよりやや劣りはしますが、それでも十分に明るい大口径単焦点レンズ。
それでありながら約280g軽量を実現します。市場想定価格も8万7000円と発表もありますが、楽天市場でみてみると、最安値68,364円で予約購入が開始されています。コスパ的にも優れたレンズと言えそうです。
ちなみにSONYも、既にDistagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)を発売していましたが、
ソニーストアでの販売価格が199,880 円+税と、手を出すには高価なレンズ。
レンズ表面の反射を抑える「T*(ティースター)コーティング」とか、フォーカスレンズを高精度に制御する「ダイレクトドライブSSM(DDSSM)」を採用とか、特徴はありますが、それはきっと、実際にレンズを手にとった人だけが分かる良さなのでしょう。
いかがでしょうか。
以上の内容を簡単にまとめると、35mmレンズ大口径単焦点レンズを2019年7月以降に選ぶなら、
・開放F値1.8、コスパ・機動性重視で選ぶならSEL35F18F
・開放F値1.4が欲しい、コスパ重視で選ぶならシグマ 35mm F1.4 DG HSM Artレンズ
・開放F値1.4、カールツァイスレンズが欲しい、と言うならDistagon T* FE 35mm F1.4 ZA(SEL35F14Z)
・開放F値1.2が欲しい、描写力重視ならシグマ 35mm F1.2 DG DN Artレンズ
という選択になりそうです。
筆者がシグマ製のレンズを保有していたこともあり、同タイミングで発表されたSONYレンズとの比較となりましたが、レンズの選び方は、このページに書かれている以外にも様々な要素が絡み合いますのでご参考までに。